2019年度 一般社団法人 岐阜県社会福祉士会 事業報告

<基本方針>

岐阜県における唯一の社会福祉士による職能団体としての社会的使命を自覚し、変化する社会構造に対応しつつ地域の人々の人権を尊重し、さらなる社会的認知を得ていく為の諸活動を行った。

  1. 社会福祉士の専門性の向上を図り、会員個々の更なる自己研鑽やそれを支える基盤づくりを強化するとともに、地域に根ざした社会福祉実践の支援として、各支部活動をより魅力的な取り組みとして継続しつつ、各部会・各委員会の活動からの情報発信を模索し形を作った。
  2. 実践力のある社会福祉士の職能団体として、共生社会の創造を目指し社会の期待に応えていくため関係機関・団体との連携強化と更なるネットワーク構築の推進として、岐阜県障害者権利擁護センター、岐阜県障がい者差別解消支援センター、岐阜県高齢者権利擁護センターの3事業が協働主催し、県民及び関係機関による「地域共生社会を考える研修会」を開催した。2月には本会第2回研修会として「子ども・若者支援とソーシャルワーク」との演題で講師を招き、若年層支援の講演会を行った。岐阜県からの新たな委託事業である「岐阜県高齢者権利擁護センター」を令和元年6月10日開所し活動を開始した。
  3. 社会的な孤立や生活困窮の状況などにある人々に着目した対応等のソーシャルワーク実践を重視し、この実践を踏まえ地域生活支援に向けた調査研究や提言活動としては、各活動の中で勉強会を開催するなど、互いの研鑽に努めた。

<重点項目>

(1)      組織率の向上と組織基盤の強化

組織運営上、会員の増加は不可欠である。会員数は全体として微増の状況であるが、組織強化・運営基盤強化についての検討を数回理事会で行った。各支部活動・部会活動・委員会活動の努力により、各活動への参加人数の上昇が見られる。これは、先導者の方々が魅力ある取り組みを工夫し発信し続けた成果であるとともに、社会福祉士として互いに学びを深めようとする会員の意欲が高まっていることを示すものと考えられる。

青年部や支部活動においては、自らの取り組みを新たな仲間たちに発信することができるチラシを作成し、地域の社会福祉士との一体感を増すとともに周知・基盤強化の足掛かりとなる実践をした。

東海4県の社会福祉士会の間にて、会長・副会長・事務局長の会議を定期的に開催し、他県からの情報収集と相互の協力関係を維持した。令和2年に入ってからは、新型コロナウイルス感染対策として、メール等を活用した情報交換を行った。

(2)      地域に根ざした社会福祉実践の支援

地域からの要請により各委員の派遣等を積極的に行い、岐阜県および岐阜県社会福祉協議会、各市町村、家庭裁判所等との連携を図った。

岐阜県障害者権利擁護センター、岐阜県障がい者差別解消支援センター、岐阜県高齢者権利擁護センターが開催した「誰もが安心して生活するために~地域共生社会を考える“障害の理解と高齢化に伴う現状と課題”」においては、多くの県民及び関係機関の参加を得ることで、社会生活上の障害という概念について、広く学びを得ることができた。これは、地域社会と専門職の繋がりを太くするためにも非常に有意義な取り組みとなった。

また、権利擁護センターぱあとなあによる活動では、地域で暮らすクライアントに対して成年後見を実践する中で、より公正で専門性の高い支援が行えるよう自己研鑽するとともに、互いの専門性を担保するスーパービジョン体制が構築されている。

令和2年に入ってからは、新型コロナウイルス感染対策として、地域の状況に合わせた対応を行っている。

(3)      関係機関・団体との連携強化と更なるネットワーク構築の推進

国家資格である社会福祉士を有するソーシャルワーカー団体として、他の県内ソーシャルワーカー団体と連携を図り「第8回ソーシャルワーカーデー2019in岐阜」を開催した。人が集まる場所での呼びかけを行う目的で、中部学院大学「たのしみん祭」の会場をお借りして実施し、会場入り口でのACPについてのアンケート調査などを通して、ソーシャルワーカーの存在をお伝えするよう努力した。今後も、地域社会へのソーシャルワークの啓発については、効果的に広めるための手法を検討し実践していくことが課題としてあげられる。

(4)      委託事業の機能充実・強化

  • 「岐阜県障害者権利擁護センター」では、平成24年10月に岐阜県より委託を受け、使用者(雇用主など)による虐待に関する通報または届出や相談等の窓口となっている。当該事業は、7年以上の活動実績により、相談窓口としての役割も定着してきている。「岐阜県障がい者虐待防止等市町村支援チーム派遣事業」では、市町村の依頼に対して岐阜県弁護士会と共に困難な虐待事例の助言、研修会への派遣などを行い、社会福祉士としての専門性を発揮した。
  • 「岐阜県障がい者差別解消支援センター」では、平成28年4月に岐阜県より委託を受け、障害者差別解消法の周知のための研修会への講師派遣や相談の受付を行った。今後も、「障害者権利擁護センター」と併せて、県内の障がい者福祉の中核としての役割を果たしていく。
  • 「スクールソーシャルワーカー研修事業」では、平成30年度から受諾した事業として、県内の現任スクールソーシャルワーカーの資質向上に向けた研修会を実施した。令和2年以降は、岐阜県教育委員会が直接実施する強化事業へと移行するが構成員として社会福祉士が担っていることから、今後は必要に応じた関わりとしていく。
  • 「岐阜県高齢者権利擁護センター」では、岐阜県からの委託を受け令和元年6月10日開所。高齢者分野の権利擁護についての相談業務を開始した。
  • 社会から求められる社会福祉士として専門性は、今後さらに高まることが予想される。自己研鑽と共に、地域への発信力と実践力の必要性が高まっている。

(5)      災害時に対する公益的活動の強化

岐阜県の推進する災害派遣福祉チーム「岐阜DCAT」への協力を通して関係機関との関係強化に努めるとともに、研修にも積極的に会員を参加させた。

併せて、東海四県社会福祉士会間において取り交わしている「東海四県社会福祉士会の連携に関する包括的協定書」に基づき、各県において発生した災害時にも互いの安否確認を行い、協力の必要について確認をしあうなど、相互連携の意識が高まった年であった。県内での災害についても、当該地域の会員及び岐阜県社会福祉協議会などと情報交換を行い社会福祉士会としての支援の必要性を確認した。今後に向けて、さらに実践的な知識やネットワークの構築が望まれる。

(6)      ソーシャルワーカー団体の統合に向けての協議

日本社会福祉士会のソーシャルワーカー団体統合への動向を注視しつつ、東海四県社会福祉士会間で情報交換を行うとともに、県内のソーシャルワーカー団体からそれぞれの全国組織の動向について情報収集を行った。

(7)      日本社会福祉士会全国大会・社会福祉士学会の岐阜県開催検討

日本社会福祉士会において全国大会・社会福祉士学会の動向を確認した。

今後も、他県の動向を踏まえ、岐阜県開催に向けての検討を行うことが望ましい。